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発展するメタバースでの仮想経済がビジネスにもたらす可能性とは

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最近では雨後の筍のように様々なメタバース関連のプラットフォームが誕生しており、その発展に伴い、仮想空間内での経済活動が急速に拡大しています。

仮想空間で可能な経済活動は様々で、例えば仮想不動産やデジタルアセットの販売、そして仮想空間を基にした多様なサービスの提供など、多様な経済活動が展開されています。

この急成長しつつある仮想空間での経済活動は、実世界にどのような影響を与え、新たなビジネス機会提供するのか?当記事ではメタバースが現実世界の経済活動に及ぼす影響について考察します。

メタバース内での経済活動が現実世界に与える影響

近年ではメタバースに紐づいた仮想空間プラットフォームが急速に発展していますが、従来のソーシャルVRやゲームと大きく異なる点は、メタバースは経済活動の場として捉えられている点です。

このメタバース内での経済活動は、新たな産業とビジネス機会を生み出しています。仮想不動産の取引、デジタルアセットの販売、そして仮想サービスの提供など、多様なビジネスが展開されています。

仮想世界での新たな産業の台頭と事例

現時点でThe SandboxやDecentralandなどの所謂老舗のメタバースでは、仮想世界を基盤にした土地取引やステーキングは当たり前のように行われており、既に広く定着していると言えます。

ですが、メタバース自体がまだニッチな領域を出ておらず、具体的に仮想世界で何が出来るのか曖昧な部分もあると思いますので、まずは実際のメタバースで可能な活動を幾つか見てみましょう。

メタバースでは何ができるのか?

メタバース内では、土地や建物、もしくはデジタルアートや仮想アセットなどのバーチャルな不動産、ゲーム用のアイテムなどが取引されています。

Sandboxのマーケットプレイスで売られているLAND。

この仮想空間を舞台にした新たな市場では、プラットフォームの利用者の数や人気によってトークンの価値が変動するため、仮想空間内での不動産開発や投資などに新たなビジネス機会が生まれています。

ここでは、デジタルの土地や建物が現実の経済価値を持ち、取引を通じて収益を得ることが可能で、人気のある場所や特定の属性を持つ不動産は高値で取引されています。

以下では、バーチャルの経済活動の基盤となっている主要なプラットフォームを紹介します。

Decentraland

Decentralandは、ブロックチェーン技術を活用したメタバースであり、2017年頃からリリースが告知されていたメタバースの老舗的プラットフォームです。

ユーザーは土地の所有したり、建築物を立てたり、NFTゲームを展開したりなど様々な活動が可能で、これらの取引にはMANAという独自トークンが用いられます。

また、Decentraland内の土地はLANDと呼ばれ、LANDを購入した人はそこにゲームや建築、もしくはLANDを貸し出して収益を得ることなどが可能です。

2021年にはDecentralandのLANDが約3億円で売れた例もあり、メタバースの中では最も知名度が高いプラットフォームの一つです。

Voxels(Cryptovoxels)

Voxelsもブロックチェーンベースの仮想世界で、ユーザーはパーセルと呼ばれる土地を所有し、3Dの建物を立てたり、デジタルアート作品の展示、売買を行えます。

大きな特徴として、Voxels内のワールドはボクセルつまり立方体の3Dモデルの組み合わせによって構築されていることで、一見ローポリの世界観ながら独自の趣を持っています。

引用:https://ia.acs.org.au/article/2021/cryptovoxels–a-virtual-world-built-on-blockchain-.html

土地の所有者は、その土地内で建物を建てたり、NFTアートの展示などが可能で、土地やデジタルアート、建物などの仮想アセットは販売および取引することができます。

Voxelsはイーサリアムを基盤ににしているプラットフォームなので経済的な安定性が高いこともあり、現在も競争率の激しいメタバース業界において一定の地位を得ています。

The Sandbox

The Sandboxも上記のプラットフォーム同様、ユーザーが自ら仮想世界を構築し、アイテムやゲームなどのコンテンツを制作できるプラットフォームです。

世界観はVoxels同様に小さなボクセルを組み合わせて構築されていますが、ワールドによってはBGMや物語が導入されており、ミニゲームも他のプラットフォームと比べて品質が高い印象です。

ワールド内の土地はLANDと呼ばれ、取引には独自トークンのSANDを用いますが、他のプラットフォームの独自トークンと比べて安定性が高いのが特徴です。

仮想通貨をLANDに投資して価格変動分を報酬として受け取るステーキングも可能で、ユーザーの中にはコンテンツ制作を行わずにステーキング目的でLANDを保有している方もいます。

Somnium Space

Somnium Spaceでも土地や建物の購入、建設や取引をすることが可能で、上記のプラットフォームと比べてもワールドの解像度が高く体験性が高いのが特徴です。

引用:https://www.deltecbank.com/2023/01/21/what-is-somnium-space/

ワールドで出来ることは基本的なメタバースの条件を満たしていますが、ブロックチェーンにイーサリアムとソラナを用いているため安定性が高いのが特徴です。

大きな特徴として、Somnium SpaceはVRとの親和性が非常に高く、VRヘッドセットを着けて体験的に利用することを想定して設計されているようです。

運営企業は独自のVRデバイスを開発しており、メタバースとVRとの関係性を先取りしているという意味では先駆的なプラットフォームだと言えます。

現実世界への影響と新たなビジネス機会の可能性

こうしたメタバース内での経済活動は現実世界にも影響を与えており、例えばメタバース内での不動産取引は2022年には総額8兆6,144億円を記録しています。

また、2030年には総額約80兆円まで拡大するとの予測もあり、メタバースが現実世界の経済活動に及ぼす度合いは年々上昇し続けていると言えます。

新たなビジネス機会の創出

メタバース内では、上記で述べたような様々なビジネス活動が展開されており、不動産やコンテンツ制作などはその最たるものですが、仮想空間を舞台にした職業は今後更に多様化するでしょう。

例えば、現在はまだ事例が少ないですが、仮想空間にログインして接客や様々なサービスを提供する職業も今後普及すると予測されます。

2021年にVRChatで開催された「バーチャルマーケット」では、接客スタッフとして170名が、企業スタッフやボランティア、アルバイトとして参加した。
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000159.000034617.html

具体的には、仮想世界に特化したデザイナー、イベントのプランナー、マーケティングの専門家、商品販売、コミュニティのマネージャーなど様々な職業の登場が予測されます。

これらの職業は、メタバースが拡大すると共に重要性を増すことが予測され、それによって仮想世界が現実の社会とより密接に結びついていくことが期待されます。

新たな雇用機会

メタバースを舞台にした様々な職業が到来することで、新たな雇用機会が生まれるだけでなく、労働市場が大きく変化することが考えられます。

特に、新型コロナのパンデミックでリモートワークや在宅勤務が一気に普及した現在では、家の中にいながらメタバースにログインして仕事をこなすのは想像に難くないかもしれません。

更に、メタバースはVR/ARやAI技術と結びつき、AIによるアドバイザーを活用する可能性も示唆されます。これによって、セキュリティ分野やデータ分析などの需要が高まることも予測されます。

ステーキング

この他、現在メタバースで行われている経済活動にステーキングが挙げられ、これは仮想通貨やデジタルアセットを保有し、それを特定のプラットフォームに預けて報酬を得る行為です。

ステーキングには経済活動だけでなく、ネットワークの安全性や機能性を向上させるプロセスも含まれており、ステーキングによってユーザーはネットワークに参加し、トランザクションの検証やブロックの生成などに貢献します。

これにより、ネットワークのセキュリティが向上し、攻撃や不正行為から保護されるという長所があり、ステーキングに参加することで、ユーザーは報酬や特典を受け取ることができる場合があります。

一方で、ステーキングにはリスクもあります。例えば、預けた資産が一定期間ロックされる場合があり、その間に価格変動による損失を被る可能性があります。

メリットとデメリット

このように、従来には無かった様々な選択肢をもたらす可能性がメタバースには見出されていますが、当然そこにはメリットとデメリットがあります。

以下では、メタバースを利用する際に発生するメリットとデメリットを考えてみます。

メリット

仮想空間では、地理的な制約がなく、世界中の人々がアクセスできるという特徴があり、これによってグローバルな市場をターゲットにすることが可能となります。

仮想空間でのビジネスは、物理的な店舗や施設を必要とせず、オンラインでの運営が可能です。そのため、運営コストが低く、かつ在庫を抱える、在庫切れなどの物理的な問題がありません。

また、近年では生成AIを初めとする様々なツールが普及していることで、独自の世界やコンテンツの作成のハードルが下がり、自分のアイデアを実現する機会が増えるという点も挙げられます。

デメリット

一方で、仮想空間を初めとするオンライン上のプラットフォームには、セキュリティの脆弱性が懸念されます。不正アクセスやデータの盗難などのリスクが存在し、それに対処するための対策が必要です。

また、メタバースはまだ発展途上の概念ゆえに、法整備が遅れることもあり得ます。このため、所有権に基づくトラブルや嫌がらせなどの問題が生じる可能性も考えられます。

他には、メタバースで使用されているトークンが国によっては規制の対象となる場合もあるため、知らずにそのサービスに参加して損をしてしまうケースもあり得ます。

筆者の経験談を挙げると、The Sandbox内のNFTゲームは日本国内の規制によって収益を得られず、そのことを後からしってがっかりしたことがあります。

こうしたデメリットを対処するために、メタバースを利用するユーザーはセキュリティの強化や法律との適合性を調べるなど、適切な準備と対策を講じる必要があります。

結論

メタバース内での経済活動が急速に拡大する中、新たな産業とビジネス機会が生まれています。これらの活動は、実世界にも大きな影響を与え、新たなビジネス機会の可能性を開拓しています。

仮想空間を舞台にした経済活動は参入がしやすく、また物理的な動きを伴わないため従来の物理的なビジネスよりも容易かつグローバルに行えるといった様々なメリットがあります。

今後もメタバース内の経済活動が発展していくことは間違いないと予測されるので、自身なりのビジネス機会を見つけることが出来れば、大きなリターンを得られる可能性が生まれます。

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