メタバース基礎知識活用術

メタバースプラットフォームの法人利用

メタバース

 最近、DOORのことばかりが出てきますが、何故にそんなにDOORを触っているのか? その理由を書きます。鍵となるのは「法人利用」つまり、企業が使う事ができるのか? と言うことです。

Clusterは法人利用には自由がない

 以前、研究会でそれなりにテストを重ねた国産プラットフォームCluster。研究会の会員が個人的な検証をしているうちはいいのですが、法人利用をしてサービスをしてみたい! となると、ハードルがあります。

 ある企業の方に「Clusterに私たちは何も置けないんですよ」と、言われたことがあります。確かにそれはどうやらその通りらしいです。

 ガイドラインは「個別に御問い合わせください」となっていますが、ここから問い合わせを行い、Cluster社に製作を発注する段取りとなるようです。(実際問い合わせを行いましたが、個別のメールになりますので内容の公表は控えます)

VRChatはグレー

 VRChatはと言うと、やってはいけないとは書いていないようです。メールで聞くと許してもらえると言う話もあります。「コミュニケーション・コミュニティユースでは法人でも利用が可能」と言う話もあります。

 契約代行をしてくれる会社がありますが、書きぶりに疑問符が湧きます。可能性がございます?

世界最大級のソーシャルVR(メタバース)である「VRChat(ブイアールチャット)」。
VRChatと法人契約を結ぶことで、有料イベント・広告・機能拡充など、よりメリットの多い利用が可能となります。
※契約をせず利用制限を超えた場合、規約違反となる可能性がございます。

Gugenka VRChat法人契約代行サービス

 しかしOKとしても、問題が有ります。Worldを広く普及させようとするなら、TrustRankを上げる必要があります。TrustRankはプレイ時間やフレンドの人数、訪れたワールド数等で上がるしくみです。

 私が聞いた2社のお話を上げておくと「特に問題なさそうだけど「揉めたら面倒だからとりあえず払った」」「個人が置いている体にしている」とのことで、それはそれで釈然としない。

 結局の所よくわからないのです。つまりグレー。

DOORはまだ使い勝手がよい

 DOORは、法人向けページに下記の記述があります。「無償で使って良いよ」「カスタマイズもしていいよ」と読めます。

DOORでは、商品販売やライブ配信、会議などビジネスシーンにおいても利用しやすい環境を
企業や個人の方を支援するために空間を無料開放しております。
テンプレートも用意していますので、お客さまの好みにカスタマイズして3D空間を作成いただけます。

DOOR法人のお客さまページ

 ただ一方で料金表には、無償欄に「無料テンプレート/自作空間を用いた簡易利用・お試し利用・社内利用」と書かれており、社外の人も使うと有償なのか? という風にも見えますが「同時利用20名程度」と書かれています。使い方というよりはスペックで縛っているイメージです。

 しかし「商用利用」は事前御問い合わせとなっています。

お客様が本サービスを商用に利用する場合、当社指定の以下のメールアドレス(以下「指定メールアドレス」といいます)に、「商用利用申請時に記入いただく情報」に定める事項について申し出て、当社の承認を得るものとします。
なお、本規約における「商用」とは、以下の「商用利用申請が必要な例」に掲げる行為の他、当社が判断する行為とします。

【商用利用申請が必要な例】
(1) 3D空間においてイベントやセミナー、展示会等を開催し、第三者から参加費や出展料を取得する場合
(2) 3D空間内からECサイト、商用サイトへの誘導を行う場合(有料商品のポスターや動画等の空間内への掲載も含む)
(3) 3D空間内で商談を行う場合
(4) 既存の有料商品のオプションとして3D空間を利用する場合(例:商品購入者限定で購入商品のオンラインサポートを本サービスの3D空間で実施する、オンラインサロン等の有料会員の特典として本サービスの3D空間を使用できる権利を与える等)
(5) 第三者の協賛を募り、本サービスの3D空間において、イベント等を開催する場合
(6) 本サービスを広告媒体として利用する場合
(7) 3D空間や、3D空間内で利用する3Dアバターや動画等の投稿コンテンツの制作又は投稿等を有償で委託/受託する場合

DOOR利用規約

 何かを売ったり有料の展覧会をしたりするなら、商用ですよ。ということになります。(即座に有料プランに誘導されるのではなく、こちらも恐らくスペックで縛るものと思われます)

 とはいえ、研究会での利用やちょっとした無料イベントやデモをやる分には無料で問題なさそうですので、DOOR活用を試していると言うのがここ最近の状況です。

twitterだって有料化しているのだもの

 Web2.0は無料(ただし、代償は個人情報で払う)でした。Web3/メタバースは、ビジネスをするならちゃんとそれ相応のショバ代は払いましょうと言う時代になっているのかもしれません。twitterも広告でだけでは耐えられず、有料プランを積極展開しているところを見ると、やはりメタバースプラットフォームの活用にはそれなりの投資を必要とすると認識しておいた方がよさそうです。

書いた人

Ike-Xです。Xはトランスフォーメーションを表します。未来プロジェクト推進室で、社会をトランスフォーメーションさせるための業務に携わっています。メタバースやWeb3で世の中がどう変わるのか? に興味があります。でも、まずは体験から。

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