昭和40年代後半〜昭和50年代生まれの方、そんな年代が上司同僚にいる方向けにメタバースやWEB3への理解を深めるため(深めてもらうため)のシリーズです。1回目はレディ・プレイヤー1でしたが、今回はプラモ狂四郎とプラレス三四郎です。
端的に言うと
プラモ狂四郎はデジタルツイン、プラレス三四郎はロボコン(ロボットコンテストのほう)です。
プラモ狂四郎とは
ロボットアニメのプラモデルが大好きな少年・プラモ狂四郎こと京田四郎は、プラモデルを本物さながらに戦わせることができる「プラモシミュレーションマシン」でライバルたちとプラモデルを仮想空間で戦わせ、次第にモデラーとして成長していく。
Wikipediaより
自分で作ったプラモで戦うという。ボクたちの夢が詰まった漫画です。その夢の仕組みを支えているのが「プラモシミュレーションマシン」なのです。単に素組みのガンダムを入れてもだめです。そのプラモの改造や実際の機能まで再現し、仮想空間上で操縦することができます。接着が甘いとパーツが取れるし、足が曲がらないプラモの足は曲がらないのです。
さらに、戦闘の過程で仮想空間上で破壊されれば、現実のプラモも破壊されます。物語が進めば命への危険が及ぶことも……何もそこまでしなくてもと思いますが、そのあたりがデジタルツインなのです。
プラレス三四郎とは
ロボットを組み込んだプラモデルの人形「プラレスラー」を用いたロボット競技「プラレス」の世界で、中学生の少年・素形3四郎が自身の所有するプラレスラー・柔王丸を駆使して活躍する姿を描いた作品である。
Wikipedia
デジタルツインのプラモ狂四郎に対して、プラレス三四郎は物理的なロボ同士のバトルです。所謂ロボコン(ロボットコンテストの方)です。キーボードで操作して戦うのですが、物理的にぶつかり合いにより破壊されます。そのダメージが操縦者に返る仕組みも実装されました。……何もそこまでしなくてもと思いますが、ハプティクスも重要な技術です。ゲームのコントローラーだって震えた方が楽しいですもんね。
デジタルツイン
さて、プラモ狂四郎の世界を支える「デジタルツイン」技術についてご紹介します。
インターネットに接続(せつぞく)した機器などを活用して現実(げんじつ)空間の情報(じょうほう)を取得し、サイバー空間内に現実空間のかん境(きょう)を再現(さいげん)することを、デジタルツインと呼(よ)びます。
総務省「デジタルツインって何?」
デジタルツインは、2002年に米ミシガン大学のマイケル・グリーブスによって広く提唱(ていしょう)されたがい念(ねん)です。現実世界と対になるふたご(ツイン)をデジタル空間上に構築し、モニタリングやシミュレーションを可能(かのう)にする仕組みの事を言います。
デジタルツインとは「リアル(物理)空間にある情報をIoTなどで集め、送信されたデータを元にサイバー(仮想)空間でリアル空間を再現する技術」である。現実世界の環境を仮想空間にコピーする鏡の中の世界のようなイメージであり、「デジタルの双子」の意味を込めてデジタルツインと呼ばれる。
ソフトバンクビジネスブログ
つまり、プラモや戦場の情報を読み取って、仮想空間上で展開する「プラモシミュレーター」がデジタルツインを支えます。仮想空間の出来事をリアル世界にフィードバックしてプラモを壊すのです。壊したプラモを読み込ませれば、仮想空間のプラモも壊れるのです。
リアルタイムにフィードバックしないようにすれば、例えばシミュレーションをすることができます。建物の建設前に、建設地の周囲の状況を反映させた仮想空間を作成し、建築することによる周囲の影響、建物が受ける影響などをシミュレーションできます。空気の流れ日当たりなどなど。工場のラインの組み替え前に、仮想空間上でその組み替えを試験し、組み替え実施後も継続的にデータ収集とシミュレーションを実施し、改善や故障予測などを実施出来るようにします。
もう一つ、コモングラウンドという概念がありますが、あまり細かく言い出すと余計にあたまがこんがらがりそうですので一旦はふわっと理解して「なるほど」と憶えておいたらよいかなと思います。